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FITよりFIPの方が儲かる理由(1)

FITよりFIPの方が儲かる理由(1)

弊社は、2022年度から導入が予定されているフィード・イン・プレミアム(FIP)制度を利用し、アグリゲーターとして太陽光発電と風力発電による再エネ電力を日本卸電力取引所へ直接販売する業務を行う事を計画しております。FIP制度はFIT制度で運用している発電事業者様にとって決して関係のない話ではありません。

今後3回に分けて風力発電事業者の皆様に、弊社がこの4年間ドイツで見てきたFIP制度の運用と収益構造について情報提供をさせていただこうと思っております。これまでの国の審議会の議論内容からはどうやら日本はドイツ方式を採用するようです。FIPの儲かる理由、ご興味ございましたら是非お読みいただければと思います。

既にご存知の方もいらっしゃると思われますが、ドイツにおいてはこのFIP制度は2012年から始まっておりまして、日本は10年遅れての制度導入となります。

[FITとFIPの決定的な違い]
  1. 下図左側のFIT制度の収益は市場価格平均(黃色)がいくらで推移しようともFIT価格(赤色点線)を必ず得る事が出来、総収益は下段の赤色の太線で囲まれた面積=A1になります。
  2. 下図右側のFIP制度の収益は市場価格平均(青色点線)とFIP価格(赤色点線)との差額が固定プレミアムとして交付され、その金額(下段両矢印)にコマ毎の市場売却代金を加えた収益の合計が赤の太線で囲まれた面積=A2になります。

図 FIT制度とFIP制度の違い(出所:資源エネルギー庁の資料を元に弊社作成)

つまりFIT収益とFIP収益を比較するという事は赤で囲まれたA1の面積とA2の面積の比較という事になります。 A1<A2であればFIPの方が収益はよくなるという事ですね。繰り返しになりますが、

FIP収益=市場平均価格(変動)+プレミアム価格(固定)  という事になります。

FIP収益を大きくしようとすれば固定であるプレミアムは変えようがないので、コマごとの市場売電価格を如何に上げるかがキーポイントです。

[FITに比べて変動型のFIPは不利?]

固定価格で買い取ってもらう事と卸市場の変動価格に連動する形で買い取ってもらう事とでは、何がどう変わってくるのでしょうか。当たり前のことですが固定価格の方が安定した収益が見込める事は確かではありますが、固定価格以上の収益はどうあがいても得られません。

一方変動価格では逆に固定価格以上の収益を得られるときもあれば市場価格次第では固定価格より低い価格の収益になってしまう場合もあります。

貴方ならどちらがいいのでしょうか。うーんやっぱり固定価格の方が安心だなという事になりませんか。私ならそう思います。

[ドイツではFIPを選択する事業者が圧倒的に多い]

そこで2012年からFIP制度を導入しているドイツでは10年近くが経過した今、FIP制度を選択している事業者がどれくらいいるのか調べてみました。なんと風力発電事業者の8割が変動型収益構造のFIP制度を選んでいるというのです。これには驚きました。ドイツは既存事業者つまりFIP制度開始時点において既に導入されている発電所はFIT又はFIP制度どちらも選択可能になっています。

おまけに一旦FIP制度を選択したとしても収益が固定価格より少ないという事になればいつでもFIT制度に戻れるという事になっています。にもかかわらずFIP制度開始から10年たった今、先ほど申し上げたように大多数の風力発電所がFIPに移行している状況なのです。一体なぜだと思いますか。

固定価格買取という安定した収益よりも、FIPの方が収益状況はいいという事なのか?

その理由は次回以降に述べさせていただきたいと思います。

※ FIPに移行した場合の収益計算が可能

株式会社ゼックではドイツのFIPアグリゲーターであるin.power(インパワー)社と今年1月に株式会社ゼックパワーという合弁会社を設立しました。インパワー社はドイツにおいて10年以上のアグリゲーター経験を有し、現在約1.2GWの発電所をアグリゲートしております。2022年の日本におけるFIP導入に際してインパワー社が運用するVPPシステムを2021年3月末日までに導入すべく、準備をしております。システム導入後、御社の発電所がFIPに移行した場合の収益状況を仮に試算する事が可能になります。

このトライアルにご参加いただける事業者様を募集しております。トライアル試算は無料です。

ご興味のある事業者様は、お気軽に下記までご一報いただけたらと思います。


株式会社ゼック(Zero Energy Company)
〒104-0032 東京都中央区八丁堀2-7-1八丁堀サンケイビル
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