ZPコラム

ZPコラム vol.22 『再エネに関する直近のトピック』

今回は幾つかのトピックについて情報共有させて頂きます。

1.2022年度第4回 FIT・FIP入札結果
去る3月10日に公表された今年度最後のFIT・FIPの入札結果は以下の通りでした。
これまで以上に低調な結果となりましたが、来年度も入札機会毎の上限価格は低減されていくため、
当面入札が活性化する可能性は低いかと思われます。
1) FIT
 募集容量:50MW
 落札容量:15.8362MW(25件)
 落札価格(加重平均):9.59円/kWh
2) FIP
 募集容量:175MW
 落札容量:16.2045MW(9件)
 落札価格(加重平均):9.56円/kWh

2.23年度の再エネ賦課金
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA223770S3A320C2000000/
今年度は日中帯においても市場価格が高騰傾向にあり、FIT電源の市場収入が膨らんだため制度導入以来
初めて再エネ賦課金が引き下げられます(本日、1.4円/kWhと公表されました)。
2円/kWh強の引き下げというのは決して小さくないと思うのですが、肝心の電気・ガス料金は補助金で
幾分緩和されているとはいえ当面高値で推移しそうなので引き下げによる影響は限定的でしょうか。

3.太陽光・風力の出力制御
先日のエネ庁系統ワーキンググループにおいて、31年度時点の太陽光・風力の導入量を想定した出力制御の
見通しが各一般送配電事業者より公表されました。これによれば、対策を講じない場合、北海道と東北では
50%を超える出力制御率が見込まれる驚きの試算結果となっています(最下部参照)。
連系線を活用してもこのような高い出力制御率が偏在することが予見されていますので、系統増強以外で
何らかの追加対策が検討される可能性が高いのではないでしょうか。
例えば、現在の市場は0.01円/kWhが下限値ですが、ネガティブプライスの導入により余剰電力の積極的な
活用(上げDRやPower to Gas等)が期待されます。これらの技術・コスト面の克服や社会実装までの工程
および市場の設計変更に伴うシステム変更等を考慮すれば、時間的な猶予はごく限られているように思えます。
しかし、エネルギーミックス実現のため更なる再エネ導入に向けては不可避な課題ですので、国を挙げて
早期に取り組んでもらいたいと思います。

エリア:出力制御率
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北海道:53.6%
東北 :54.2%
東京 : 3.4%
中部 : 2.8%
北陸 : 4.2%
関西 : 3.8%
中国 :25.5%
四国 : 2.8%
九州 :26.0%