ZPコラム

ZPコラム vol.26『太陽光第16回入札(令和5年度第1回)の結果』

今年度1回目のFIP入札結果が公表されました(出力500kW以上のFIP太陽光発電設備 及び 出力250kW 以上500kW未満 のFIT太陽光発電設備)。

<入札の概要>

・募集容量:105MW

・供給価格上限額:9.50円/kWh

<入札の結果>

・入札件数の合計:35件

・入札された再生可能エネルギー発電設備の出力の合計:119,719.8 kW

<落札の結果>

・落札件数の合計:20件

・落札された再生可能エネルギー発電設備の出力の合計:105,000.0kW

・最低落札価格:9.00円/kWh

・加重平均落札価格:9.34円/kWh

・最高落札価格:9.49円/kWh

今回はそもそも募集容量が105MWと昨年度の175MWから大幅に縮小された状況でしたが、入札容量(約120MW)が募集容量を超えたのはFIP制度創設より初めてのことです。ただし、落札発電所の1つが約90MWなので業界全体がFIPに注目し始めたとは言い難いように思います。

また、円安・資源高の状況下で9.5円/kWh以下で果たして採算が取れるのか、個人的にはいささか疑問は残ります。市場価格が比較的高値で推移している東京エリアでも、今年度(3か月間のみですが)の太陽光の加重平均価格は7円/kWhを下回る水準ですので、単純な市場への売電だけでなく、PPAを組み合わせた需要家への直接・間接供給を志向している可能性があります。

一方で、FITからFIPへ移行する電源も徐々に増える傾向にあります。6月1日時点でFITからFIPに移行した電源74件の内訳は、太陽光45件、バイオマス20件、風力9件となっています。FIPは環境価値が当該発電所の帰属するため、電力のみならず環境価値を欲するグローバル企業に対しPPAを締結する動きが活発化しているようです。

*バイオマスはバイオマス燃料価格の高騰に伴い、固定価格買取よりも市場価格に連動させたほうが有利という判断も働いたようです

太陽光においては非FIT/非FIPの電源開発も増加しており、再エネ事業者の動向が多様化するなかで、アグリゲータとしてもこれらに柔軟に対応できるような体制やシステムを構築する必要性を実感しています。

再エネに限らず、皆様からのご意見やご要望を頂ければ、我々にとって非常に有用な情報となりうるのでお気付きの点がございましたらお気軽にお申し出頂ければ幸いです。