ZPコラム

ZPコラム Vol.31 『2024年度からの電力市場の変化』

今年4月から始まる2024年度には、電力市場において注目すべき動きがあります。容量市場は2024年度から実需給期間に入り、期間中は小売電気事業者などが容量拠出金を負担することになります。需給調整市場においては二次調整力①と二次調整力②が追加で導入され、一次調整力についても調達が始まる見込み(広域調達については不明)です。これで需給調整市場の全商品が取り扱われることになります。因みに、発電側課金も始まる見込みです。

受給調整市場では、2021年度から始まっていた三次②調整力、2022年度からは三次①調整力において、価格や調達量に問題が発生していることが指摘されています。取引開始以降、三次①及び②では、募集量に対し応札量が不足する傾向が続いており、応札された調整力が全量落札されることも少なくありません。2022年夏季には約定価格が高騰することもありました。

資源エネルギー庁は、上記のことは他の商品(一次調整力、二次調整力)でも同様に課題となり得ることを踏まえ、2024年度の取引が開始するまでに改めて、効率的な調達となっているかを検証することが必要としており、主に価格規律と調整力調達量の観点から対応が検討されています。安定供給等の観点なども考慮し、より効率的な電力調達が可能になることを期待したいと思います。