ZPコラム

ZPコラム vol.13『低調だったFIPの初入札』

入札実施機関である電力広域的運営推進機関(OCCTO)は今月17日、太陽光第 12 回入札(令和4年度第1回)の結果について公表しました。
https://nyusatsu.teitanso.or.jp/servlet/servlet.FileDownload?file=00P7F00000bNBz2
フィード・イン・プレミアム(FIP)対象区分のうち発電出力が 1,000kW以上の太陽光発電設備が入札となり、250kW以上1MW未満は引き続き固定価格買取制度(FIT)の対象となっていました。

今回の入札では事前に上限価格が公表(10.00円/kWh)され、募集容量はFIP対象区分が175MW、FIT対象区分が50MWの合計225MWでした。結果、落札した案件はFIP対象が128.94MWで、件数はたった5件だけでした。FIT対象は合計24.76MWの39件であり、いずれも募集容量に達しませんでした。なお落札価格の加重平均はFIP対象が9.87円/kWh、FIT対象が9.93円/kWhとのことです。

落札件数:
250kW-1MW未満(FIT) 39件
1MW以上(FIP) 5件

但し入札参加資格の審査のために提出された事業計画の合計出力はFIP対象が約181MW、そのうち入札に参加できることを通知されたのは12 案件の約179MWで、募集枠の175MWを超えていました。

その背景にはそもそも、FIPで求められる発電計画の作成とそれが外れた場合のインバランスコスト負担リスクは大きいと見られており、積極的に活用しようという機運に乏しいことがあげられるのではないでしょうか。また250kW以上1MW未満の区分においてFITでなくFIPを選択する場合、入札をしなくても10円/kWhの基準価格が適用されるため、そちらに多く流れた可能性もあります。

また卸電力市場ではFIP基準価格を上回る高騰相場が続き、プレミアムが殆ど給付されない状況下でFIPの事業収支が見通せない一方、コーポレートPPAなどによる長期固定での売電スキームを志向する事業者も多いとみられます。